毛周期とは。医療レーザー脱毛の効果が期待できるタイミングについて
医療脱毛は、肌の発毛組織を破壊することによって毛の成長を抑制する脱毛方法です。代表的な施術方法の一つに“医療レーザー脱毛”があります。
医療レーザー脱毛は、毛のメラニン色素に反応するレーザーを照射して発毛組織にアプローチする仕組みです。そのため、毛が生えている状態でなければ施術による効果が期待できないとされています。
美容クリニックにおいては、毛周期を踏まえたうえで患者に合わせた間隔・回数で医療レーザー脱毛の施術を行うことが重要です。
この記事では、毛周期のサイクルや医療レーザー脱毛を行うタイミング、部位別における施術回数の目安、患者にお願いすることについて解説します。
目次[非表示]
- 1.毛周期とは
- 2.医療レーザー脱毛の施術は“成長期”のタイミングで行う
- 3.【部位別】毛周期の期間と施術回数の目安
- 4.医療レーザー脱毛を受ける患者にお願いすること
- 4.1.➀気になる毛はシェーバーで処理する
- 4.2.②日焼け対策を行う
- 4.3.③生活習慣を整える
- 5.まとめ
毛周期とは
毛周期とは、毛が生え変わるサイクルのことです。肌にターンオーバーがあるように、髪の毛やまつげなどの体毛も生え変わりを繰り返しています。毛周期には、4段階のサイクルがあります。
▼毛周期の段階
段階 |
状態 |
成長前期 |
毛根にある発毛細胞が活発化して毛の成長が始まる期間 |
成長後期 |
毛の成長が進み、皮膚の表面まで現れる期間 |
退行期 |
毛の成長が止まり、抜け落ちるまでの期間 |
休止期 |
毛が抜け落ちて、新しい毛の成長が始まるまでの期間 |
医療レーザー脱毛の施術を行う際には、毛周期を踏まえてレーザーの照射を行うタイミングや間隔を提案する必要があります。
医療レーザー脱毛の施術は“成長期”のタイミングで行う
医療レーザー脱毛の施術は、毛周期のサイクルのうち“成長期”に行うことが適切とされています。その理由には、医療レーザーによって反応する毛のメラニン色素が関係しています。
医療レーザーは、毛のメラニン色素が濃いほうが反応しやすくなります。成長期は、発毛細胞が活発になっており毛の根が深いことから、メラニン色素が濃くなり、より効果的に発毛細胞へアプローチすることが可能です。
一方、毛が抜け落ちる前段階となる退行期は、成長期の毛と比べて根が浅くなり、メラニン色素が薄くなります。医療レーザーを照射しても、毛のメラニン色素に反応しにくくなり、十分な脱毛効果を実感できない可能性があります。
毛が抜け落ちた休止期については、毛根が毛乳頭(※)から離れている状態となるため、医療レーザーによって発毛細胞を破壊することはできません。
なお、タトゥー部分の施術についてはこちらの記事で解説しています。
※毛が生える根本となる部分
【部位別】毛周期の期間と施術回数の目安
医療レーザー脱毛の施術は、毛周期の期間に応じた間隔で行います。部位ごとにおける一般的な毛周期の期間と施術回数の目安は、以下のとおりです。
▼【部位別】毛周期の期間と施術回数の目安
部位 |
毛周期 |
照射回数 |
顔 |
1~2ヶ月 |
3~8回 |
ワキ |
2~3ヶ月 |
5~7回 |
腕・足 |
1.5~2ヶ月 |
3~5回 |
VIO |
1.5~2ヶ月 |
3~8回 |
ただし、毛周期には個人差があるほか、照射間隔を短くすると肌へのダメージにつながる可能性があります。患者の毛質や肌の状態をよく観察したうえで、一人ひとりに合った施術プランを決めることが重要です。
医療レーザー脱毛の施術時間についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
医療レーザー脱毛を受ける患者にお願いすること
医療レーザー脱毛で効果を実感(※)するには、複数回の施術が必要になります。施術の期間中においては、患者に対して日頃のケアや生活習慣についてアドバイスを行うことが求められます。
※個人差があります。
➀気になる毛はシェーバーで処理する
医療レーザー脱毛の施術前に生えてきた毛が気になる場合には、シェーバーを用いて自己処理することがポイントです。
毛抜きや脱毛ワックスを使って自己処理をすると毛根まで引き抜かれてしまうため、レーザーがメラニン色素に反応しなくなり発毛組織に効果的なアプローチができなくなります。
また、毛根を引き抜くことにより毛周期が乱れやすくなり、施術間隔の調整が必要になる場合もあります。自己処理が必要になった際は、シェーバーで優しく毛を剃るように伝えておくことが重要です。
②日焼け対策を行う
顔や腕、足などの日光が当たりやすい箇所に医療レーザー脱毛を行う際には、日焼け対策を行うことが必要です。
▼日焼け対策が必要となる理由
- 紫外線によって肌のダメージにつながる可能性がある
- 肌のメラニン色素が増えて医療レーザーの影響を受けやすくなる
医療レーザーの照射後は、肌がデリケートな状態となっているため、紫外線を浴びることでダメージにつながるおそれがあります。
また、日焼けをすると肌のメラニン色素が増加します。医療レーザーを照射した際に、毛根の発毛細胞だけでなく肌のメラニン色素にも反応して肌トラブルを引き起こすことがあるため、注意が必要です。
③生活習慣を整える
生活習慣が乱れると、ホルモンバランスや自律神経などの影響によって毛周期が乱れやすくなります。
医療レーザー脱毛の施術を効果的に行うためには、食生活や睡眠・運動習慣などを整えて、規則正しい生活を心がけることがポイントです。
なお、医療レーザー脱毛の注意点についてはこちらの記事をご確認ください。
まとめ
この記事では、医療レーザー脱毛について以下の内容を解説しました。
- 毛周期の仕組み
- 医療レーザー脱毛を行うタイミング
- 毛周期の期間と施術回数の目安
- 医療レーザー脱毛を受ける患者にお願いすること
医療レーザー脱毛は、4段階ある毛周期のうち成長期に施術を行うことが適切とされています。ただし、毛周期には個人差があるため、施術する部位や患者の毛質、肌の状態などを踏まえて施術プランを決めることが重要です。
サイノシュアーでは、755nmのアレキサンドレーザーと1064nmのヤグレーザーの2つの波長を搭載した医療レーザー脱毛機器『ELITE+™(エリートプラス)』をリリースしております。毛質や肌の色に応じてレーザーの波長を調整できるため、幅広い悩みに対して的確なアプローチを行うことが可能です。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。